第22章 旧調査兵団本部
エルヴィンの指示でエマとレイラが来た。
この二人は同期だがあまり似たところがない。
エマは兵士になるべくしてなったようだが、レイラについては何故調査兵団に入ったのかわからない、所謂少しチャラついたヤツだった。
仕事は二人とも滞りなく済ませていたので、何も言うことはないが。
そう言えばさっきペトラが、エマがエレンの部屋に向かったと言っていた。
エレンの憧れだから話をしてやるように言ったらしい。
余計な世話を焼きやがって。
勿論ペトラが気を利かせて言ったことはわかっているが、エマはまだ普段は隙も多いし、相手は15歳とは言え男だ。
地下室で二人きりだなんて
全く何を考えてやがる…
そうして一人でイライラとしていた時だった。
レイラが部屋に訪ねてきた。
「どうした。何の用だ」
「…兵長、私を抱いてください」
「あ?俺はそう言う気分じゃねぇ。
それにお前みたいに後を引きそうな奴は抱かねぇことに決めてる」
「なぜですか?エマは抱くのに??」
なんだこいつは。
エマにはクスリの一件以来手を出してない。
おおかた執務の手伝いの件を勘違いしてる類だろう。
「ごちゃごちゃうるせぇな。
用がそれだけならとっとと出て行け」
「そんな気分じゃないなら、そんな気分にしてあげます。
私、調査兵団なんかに入ったのもあなたに近づく為だったんですから」
レイラはそう言うと無理矢理キスをしてきた。
女を殴る訳にもいかず、すぐに引き剥がしたが、誰かに見られていた様で走り去る足音が聞こえた。
「なんでよ、エマばっかり…」
レイラは俺の反応が予想外だったのと自尊心が傷ついたようで、そのまま不機嫌そうに部屋を出て行った。