第20章 紋章の力
食堂で夕食を取っていたフロイドに近づき、中庭に呼び出した。
「やっとエマちゃんも楽しむ気になった?」
ニタリと笑うフロイド。
構わず中庭奥のベンチに座った。
ここならまぁそう人は来ない。
フロイドも続いて隣に座る。
「あなたに話したい事があるの」
「どうしたんだい?もう辞めて欲しいって?エマちゃんはそんなこと言えないでしょ」
「えぇ、そんなこと言うつもりはない。
ただ、私、きちんとあなたにレイドの事を話していなかったから…」
フロイドは明らかに不機嫌そうな態度だが、そのまま続けた。
「レイドは…私を庇って死んだ」
「知ってるよ。くだらないよね」
フロイドはそれがどうしたと言わんばかりに、ふんっと鼻で笑う。
私は前を向き、話を続けた。