• テキストサイズ

白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第19章 ●報復の続き●




突然、ガッ!と両肩を掴まれ、兵長の方へ身体ごと向かされた。
殺気を帯びた鋭い目つきで、



「言え!フロイドを糾弾しろ、と!!」


兵長はこめかみに青筋を立てながら私に向かって捲し立てる。
黙りこくった私に、


「お前はなにか?
そうして自分を痛めつける事が、お前の為に死んだレイドへの贖罪になるとでも思ってやがるのか。
それなら今すぐそのクソみたいな考えを捨てろ。
フロイドがやってることはただの逆恨みだ。お前が出来ねぇなら俺が代わりにやってやる。

………エマ。お前がまたそうやって自分だけで抱え込んで、フロイドから逃げる事であいつ自身も縛り付けてんじゃねぇのか」



ハッとした。
兵長の言う通りだ。
また私は逃げていたのだ。
頭の中で、レイドの言葉が蘇る。



ーー『諦めるなっ!!』ーーーー




すぅっ…と目の焦点が合っていく感覚がした。
そうだ、私はまだフロイドに何も話していない。



「…兵長、ありがとうございます。
先ずは私がちゃんと向き合わないと」


兵長にお礼を言い、私はフロイドの元へと向かった。

兵長はそれ以上何も言わなかった。
/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp