第16章 重なる想い
「宴の続きをしようか」
「…はい。」
「その盃を呑み終わったら、俺にも酌をさせてくれるか?」
「私からも信玄様に注がせてください」
少しは、信玄様に近づけてるのかな…
…でも、近づいて…そのあと私はどうするの?
そんな迷いが私の中で駆け巡る中、宴の時間はただ…過ぎていった
しばらくして、私は武田の家臣の人たちに囲まれていた
あの戦で、逃げ出して迷惑をかけてしまったことを謝り、春日山でも丁重扱ってくれていることにお礼をする
一人一人にお酌してると、いつの間にか家臣の人たちが私のお酌の順番待ちをしていた
みんなとたわいのない話をして、家臣の人たちに囲まれる時間がとても楽しかった