第16章 重なる想い
「…んだよ。やけにあっさりしてんな」
幸村が意外そうな顔して言う
あっさりなんて…してない……
「…本当はすごく安土城のみんなのことが心配だし、戦なんてしないでほしい。でも、誰が敵とか味方とか、私には分からない。ここにさわられて短い間だけど……ここにいる皆が戦う理由も…分かる気がするから…」
幸村や謙信様、佐助くん…そして信玄様のことも大好きだから
「だから…自分の目で見て、感じた情報だけを信じることにします」
この人たちがしてることは、善と悪では片づけられない。
ずっと悩み続けていた問題の答えの端っこを、ようやく掴み始めた気がしていた。
悪と正義があるんじゃなくて、信念と信念がぶつかり合うのが、戦国時代なんだ
私の言葉にみんなが沈黙する
ちょっと…大口叩きすぎたかな?