第16章 重なる想い
確かに…謙信様の言う通りだ……
いくらここの人たちと仲良くなっても、私が織田側の人間である限りこの問題は避けて通れない
「佐助くん。私は大丈夫。」
「乃々さん…」
「信玄様。私もこの話聞きたいです。聞かせていただけますか」
私も信玄様を真っ直ぐ見つめた
「…計画には、揺るぎはない。すでに、織田の領土の境で、武田の小隊が小競り合いを仕掛けている。信長と総力を上げてぶつかる日も、遠からず来るだろう」
信玄様も真っ直ぐ私を見つめて答えたくれた
あぁ…その時は刻一刻と迫ってきているんだ…
その現実に胸が締め付けられる
「…そうですかっ」
前の私なら、泣き叫んで戦をやめろと言っていたかもしれない…
でも……今は…織田軍のみんなも春日山のみんなも…自分たちの信念があって戦ってる
私なんかが、軽い気持でそれを否定することはもう出来ないから…