第16章 海を支配する者
「さっきペガサスに乗ったけど、落ちそうだったから」
「かなり無茶だったよね」
「私もおそ松くんのサポートするね!」
「トト子ちゃん、ありがとう。へへ」
照れ臭そうに鼻の下を指で擦ると、ロック鳥になった。
「乗れ!!」
「「おう!」」
ロック鳥とペガサスで左右に分かれてクラーケンに近づく。さすがのクラーケンもどちらを攻撃するべきか、悩んでいるように見えた。
「今度こそ、うまくいってくれよ!地の精霊タイタン、水の精霊ウンディーネよ!!力を貸してくれ!!」
さっきと同じように海底の土が盛り上がる。海水はというと、今度は矢の形になってクラーケンを取り囲んだ。
「よし!僕の魔法と合わせるぞ!ホーリーアロー!!」
チョロ松が放つ聖属性の魔法が水の矢と合わさり、クラーケンに突き刺さる。
「いっくぞー!よいしょー!」
十四松も矢を放つ。タイタンにすら勝つほどの腕力で放たれた矢は、クラーケンの右目に深く命中した。
「カラ松兄さん、○○ちゃん!今だよ!」
「サンキュー、じゅうしまぁーつ!いくぜ、○○!共同作業だ!」
「うん!」
カラ松が目を開き、○○が石化の視線を浴びせる。
「とどめは、俺だ!」
おそ松が羽ばたき、海水を竜巻のように巻き上げた。半分石になったクラーケンの体は、その竜巻でバラバラと砕けた。
「っしゃああ!リベンジ、なったぜ!」
「すごいわ!本当に倒してしまうなんて!」
「おし、戻ろう!!」
「「イェーーー!!」」
街に戻ったおそ松たちを待っていたのは、割れんばかりの拍手だった。タイタンが差し伸べた手に乗る十四松。
「お前は力も強いが、弓矢の腕もいいんだな」
「あはー!狙いは外さないよ!」
もう片手にカラ松と○○を乗せる。
「お前、メデューサだったんだな」
「ええ。でもカラぴが呪いを解いてくれたの」
「正しくは、呪いを解く手伝いをしただけだがな」
「いや、大したもんだ」
そして街の住民たちに言った。
「みんな!この言い伝えの当事者たちに、ごちそうをたくさん持ってきてくれ!俺のおごりだ!」
「やりぃ!!」
こうしてその夜は、大宴会となった。たくさんのごちそうにたくさんの酒。酒は店主のおごりだ。
「よーし、今夜は飲むぞー!!」
「「かんぱーーーい!!」」