第16章 海を支配する者
「ぐぁあっ!!」
「おそ松!!」
「くっ!!お前らだけでも、逃げろ!」
おそ松が仲間たちを振り落とした。すかさずペガサスが全員を背に乗せる。
「○○から生まれたペガサスが、俺たちを…!」
クラーケンの足に突き刺されたままの○○を、カラ松は足を焼き切って落ちてきたところを抱き止めた。
必死に羽ばたいてクラーケンを水上に出そうとするおそ松と、そのおそ松を水中に引きずり込もうとするクラーケン。もがく両者にカラ松は為す術がない。
「くそっ!今目を開くと、おそ松まで焼き尽くしてしまう!」
「僕も狙いが定まらないよ!」
一松が左手を掲げる。
「水の精霊ウンディーネよ!俺に力を貸してくれ!!」
すると海水がクラーケンを持ち上げた。だがおそ松に絡みついているため、頭を狙えない。
「おそ松…っ!目を閉じ、ってて!!」
「○○?!無理するな!!」
おそ松が目を閉じたのを確かめると、ペガサスはクラーケンの目が見えるところまで移動し、○○が石化の視線を浴びせた。だがクラーケンは石化しない。
「いい加減にしろよ………!」
そう言ったのはチョロ松だ。
「おそ松を放せ、イカ野郎!!ケツ毛燃やすぞ!!」
ブチキレたチョロ松は光の矢を放つ魔法を繰り出した。
「食らえ、怒りのホーリーアロー!!」
光の矢はクラーケンの目に命中し、おそ松はようやく自由になった。チョロ松はペガサスを操り、おそ松を回収して一旦街に戻った。早速おそ松と○○に回復魔法を使う。が。
「だめだ、傷が深すぎる。今の僕の回復魔法じゃ、どうにもならない…!」
「○○!!しっかりしてくれ!ああ…、血が止まらない…!」
「カラ、ぴ……。役に立て、なくて………、ごめ、なさ……がはっ」
「いいからしゃべるな!」
「俺も、ストーグロック……行けない、かも……」
「バカ!そんなこと言うなよ!」
そこへ一人の女性精霊が近づいた。
「私の回復魔法なら、きっと元気になります」
「誰かは知らないけど、頼むよ!僕たちの大事なリーダーと、仲間なんだ!」
女性が二人に手を当てて呪文を唱えると、彼女の体から光が発せられ、その光が二人を包み込んだ。
「傷が…!ふさがってく!」
とたんに元気よく起き上がるおそ松と○○。