第10章 かくれんぼ

そんな中で始まったかくれんぼ！

どこに隠れようか悩んだあげく、桜の木の上にしようと思い、早速桜の木の下まで来た。


「よし、木登りは得意じゃないけどあそこまでなら何とか登れるはず…」


桜の木の葉が生い茂っている中間辺りに目星をつけ、木に足をかけ、最初の枝に一生懸命手を伸ばして掴もうとしていたら…


「あ、主！何を！？」


げ…長谷部の声。
必死こいて木に登ろうとしている最中なので、振り返ることが出来ないけど、声でわかる。


「危ないじゃないですか！」


脇に手を入れられ、そのまま木から引きずり降ろそうとしてくるので、木に必死にしがみついた。


「ちょっと、やめてぇっ！！」

「離すわけにはいきません！このような危険なことを見過ごすわけには！！」

「かくれんぼしてるから木の上で隠れたいの！早くしないと見つかっちゃうから、お願いだから見逃してっ」


長谷部は聞く耳をもたず、ぐっと脇に入れた手に力を入れる。必死に木の枝にしがみついていたはいいが、段々と脇がくすぐったくなってきて…


「ふふっ！きゃはははっ」