刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第28章 お祝いの宴
急いで持ってこなきゃと立ち上がろうと膝立ちになった途端、大倶利伽羅さんは座ったまま私を抱き締め、私の胸に顔を埋めてきた。
「!!」
これって…
『自分だけこの柔らかいとこに顔埋めて甘えるつもりなんだろー!』という包丁くんの言葉を思い出した。その通りになっている…?
「行くな、何処へも行かせない…」
「!!」
「誰にも…渡さない」
ぐっと抱き締める力が強くなり、そのまま顔をすりすり擦り付けてくるので、胸が大倶利伽羅さんの顔でふにふにされて、さっきの言葉といい、途端に恥ずかしくなりかあっと顔に熱が集まる。
あんなにふらふらしていたのにどこにそんな力が残っていたのか、抱き上げられてベッドに組み敷かれた。燃えるような金の瞳が私を見下ろしている。
そしてその瞳に捕らえられたように目が離せなかった。
「からちゃ、…」
大倶利伽羅さんの上気した頬と、ふわりと強いアルコールの匂い…
大倶利伽羅さんは私の首筋を指先でつうっと触った後、顔を埋め、れろっと首筋に舌を這わせた。
「ひゃ…ぁっ」
「はあ…、あんたを…抱きたい…」
「…っ」
「……いいか」