第28章 お祝いの宴

直球で問われちゅ、と優しくキスをされた。ちゅ…ちゅ…と唇の表面の感触を味わうだけの行為を繰り返される。まるで私の返事を待っているかのようだった。

きっと大倶利伽羅さんは飲みすぎて自分で何を言っているのか分かっていない。

私もお酒を沢山飲んで酔っている。そして大倶利伽羅さんの、大好きな人の甘い言葉で思考がぐずぐずになっていた。

ちゅ、っと唇を食んで、時折ペロッと舐められ身体が震える。


「んっ」


軽く啄むような優しい口付けは激しさなんてまるでなく、むしろ可愛らしい戯れのようなものなのに、回数を重ねる度に胸にどうしようもないくらいの熱を灯していく。

そしてその熱に浮かされてしまった私は、キスをされながら返事をしてしまった。


「わた、しも…ちゅ、伽羅ちゃ、んちゅ、欲しい…」


例え分かっていなくても、それでもいい、そう思ってしまった。
酔っぱらっているとはいえ、こんなに求められて、冷静でいられる訳がなかった。

言質は取ったとでも言うように、大倶利伽羅さんに両耳を覆われて、啄んでいたキスが途端にねっとりとしたものへと変わる。