刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
「ならあんたが乾かせ」
「え?」
「…」
「じゃあ、乾かしてもいいですか?その後肩揉みしますね」
「あぁ」
ドライヤーを取って貰って、大倶利伽羅さんの髪を乾かした。フワリとシャンプーの匂いがした。同じシャンプーを使ってるはずなのに、どうして大倶利伽羅さんはこんなにいい匂いなんだろう…。
それに髪の毛が柔らかくてフワフワ。大倶利伽羅さんって猫っ毛だね。それで毛先だけ赤いんだよね…
ふふ…こんな姿、顕現したての頃の大倶利伽羅さんからは想像もつかなかったなぁ…最近は物凄く慣れ合ってくれてる気がする。うん。凄い進歩だ!
「何が可笑しい」
「いえ、なんでもないです」
大倶利伽羅さんが怪訝そうな顔をしてこっちを見ていた。私、にやついてたかな?だって大倶利伽羅さんが可愛いんです。
それに、冷たいようにみえてそのくせ心はとっても優しくて…そんな人に惚れるなっていう方が難しい。
髪を乾かし終わって、大倶利伽羅さんの肩揉みを開始する。これでもよく父親にやってあげてたから少しは上手なはず…
大倶利伽羅さんが肩を回して首を左右に振ると、ゴキゴキと音が鳴った。
「そんなにこってたんですか!?」
「いや、そういう訳ではない」
「じゃあ始めますね。痛かったら言ってください」