刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
そして時間が経つのは早いもので、また夜のお薬タイムになってしまった。
相変わらず大倶利伽羅さんが優しくお薬を塗ってくれている。私も何かお礼が出来ればいいんだけど…何か出来ることはないだろうか、と考えた。
肩揉みなんてどうかなぁ。嫌がるかなぁ…
思い切って聞いてみようか、でもきっと慣れ合うつもりはない、とか言われちゃうかな。
「大倶利伽羅さん、いつも私ばっかりお世話になってるので、私も何か大倶利伽羅さんにしてあげたいんですけど、肩揉みなんてさせてもらえないでしょうか…抱っことかで肩こったりしてませんか?」
すると大倶利伽羅さんは、私をジッと見てから、無言で薬の蓋を閉めて箪笥の上に置いた。
ああ、やっぱり駄目か…気分悪くしちゃったのかな。言わなければ良かったのかも…悲しくなっていると
大倶利伽羅さんが私の前にあぐらをかいて座った。
「…あんたを抱くくらいで肩がこるほどやわじゃないが、あんたがそういうなら…」
「え!?」
「なんだ」
「いえ、ありがとうございます!」
彼の態度に思いっきりびっくりした。
だって…返事がなかったから嫌なのかと思ったから。
嫌じゃないんだ、良かった…
見ると、彼の髪がしっとり濡れている。お風呂から上がって拭いただけなのかな?
「大倶利伽羅さん、髪乾かさないと風邪引いちゃいますよ」
「どうでもいいな」
「駄目ですよ、ちゃんと乾かさないと…夏ならともかく、今はもう冬なんですから」