刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「…言いにくいことなら私の胸に留めておくから………ここ数日のシーちゃんおかしいよ…一体どうしちゃったの?」
はぐらかそうとする彼女に私は問う。すると彼女はあからさまに面倒臭そうにため息を吐いたかと思えば、今度は不敵な笑みを浮かべたのだ。
「審神者様、焦ってるんですか?」
「っ、焦るって何を…」
「私に大倶利伽羅様を略奪されるんじゃないかって」
「!!」
驚いている私をよそにクスクスと楽しそうに笑っているシーちゃん。予想だにしなかった状況に心臓がドクンドクンと脈打つ。目の前にいる彼女は、本当に私が知っているシーちゃんなのだろうか。
「シーちゃん…私と大倶利伽羅さんの関係知ってるよね…?それに嬉しいって言ってくれてたよね?なのにどうしてそんなこと…」
「どうしてって…あの時は…審神者様に恩があったから遠慮してそう言いましたけど、やっぱり後悔したくないって思ったんです。私、大倶利伽羅様が好きです。諦めたくない。……あの襲撃で私は祖父母を失ってしまったけど、大倶利伽羅様が助けてくれて奇跡的に生き延びた……彼に出会えたのは運命なんだと、そう思ったの……」
「つまり…延長理由は大倶利伽羅さんってこと…?」