第3章 林檎の謎と紅の話
とはいえ、今はまだ朝だ。
明日まで丸1日ある。何をしよう。
というのも緑色をした森や色とりどりの花、謳っている野鳥たちを眺めるのも飽きてしまったのだ。
ここへ来てもうすぐ1ヶ月がたつのだ。しょうがない。
かといって掃除をしようにも昨日大掃除をしたばかりなのでとても綺麗だ。
なのでやることがないかローズに聞いてみた。
「なら、刺繍でもしてみるかい?」
「刺繍か.......やってみる!」
そうして1日中、私とローズは刺繍をすることになった。
「ねぇ、ローズ」
「なぁに?フレア」
「ここらの森には紅いものはあるの?」
「あるけれど、私たちが食べた紅い林檎のような色はないよ」
「色が薄いの?」
「少し落ち着いた色なのさ、燃えるような血のような紅ではなく可愛らしい赤なのさ」
「そうなんだ、今度探してみるよ」
「魔獣には気を付けるんだよ」
「はーい」