第2章 ◆ホワイトデー 皇天馬
「……だが、」
「ん…?」
「この状態で言われると、まるでプロボーズされてるみたいだな」
手を握り、幸せそうに笑い、ずっと大切にする
自分のしたことを思い出し考えれば考えるほど、確かに。
プロポーズでokを貰った人の反応だ。
そこまで思い至ると途端に恥ずかしくなり、慌てて手を離して距離を取った。
「………ッ!!!!そ、そんなつもりじゃ…!!!」
「んじゃ、監督は俺と結婚してくんねぇの?」
「は!!??」
「……やっぱり、指輪にしとくべきだったか…」
「て、天馬くん…?」
「生憎と、俺はもう、監督のこと、手放してやんねぇからな」
そう言って不敵に笑う彼は、やっぱり誰よりも格好良くて
「いづみ、愛してる」
その言葉だけで蕩けてしまう私は、ずっと彼に勝てないと思う