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【A3!】恋する劇団

第2章 ◆ホワイトデー  皇天馬


「ちょ、これマジかよ…?」


「い、いやいや、あのテンテンがこんな事するわけ…」


「あのポンコツ役者…なにやってんの…」


「あわわわわ、て、天馬くん……」



談話室の方が騒がしいと思いのぞき込んでみれば、寮にいる皆がTVを囲むように見ていた。

彼らの反応を見ていると、どうやら天馬くんが出ているらしい。

けれどもどうやらあまり宜しい内容ではない様子…


「どうしたの?」


「ああ、ポンコツ役者がちょっと、……ッ!!!」



私に気付いた幸くんが、慌てた様子でTVの電源を落とす。

それによって他の皆も気づいたらしく、あからさまに私がTVの内容について触れないようにと話題をそらしているのが分かる。



「……何を隠そうとしてるの?」


「な、なんでもないよ〜ん!それよりカントクちゃん、そろそろ夕飯の買い出し行かなきゃなんじゃない!?一緒に行こ!!」


「あ、ちょっと一成くん!?」



私の手を無理やり引き、一成くんが買い出しに向かう準備を進めていく。

言いたがらないことを無理に聞いて良かったことなど一度もない、と自らの経験則を思い出し、聞き出すことは諦めて、自分も買い出しに行く準備を始めた。
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