第6章 Tes chaussures.
それじゃあね、とタクミに別れを告げて、
極星メンバーの元へ向かうと、峻が誰かに電話をしている所だった。
「…了解、お疲れ」
峻はそう言って電話を切ると、
「極星メンバー全員…、初日を生き残ったってよ」
と嬉しそうに告げた。
わっとみんなが沸き立つ。
「よかった…!よかったよ〜」
創真は地面で砂になりかけている善ニを指差して言う。
「丸井は…、これは生き残ったって言っていいの?死んでねーか?」
「山の中を延々駆けずり回ったらしいぜ」
「あー、ウチのグループと似たような課題だったのか」
「ふー…、でも流石に疲れたわね」
「もうヘトヘトで動けないよー」
と溜息をこぼす涼子と恵に、悠姫が興奮したように言った。
「何を仰いますやら!今からご褒美タイムだよお嬢さん方!」
『え?』
疑問句を口に出す琥珀を気に留めず、
悠姫はるんるんとホテル内へ入っていく。
「ディナーにお風呂に客室!きっとどれも豪華絢爛超ゴージャスなんだわ…!
全力で堪能してやるのっ!」
と嬉しそうに両手を広げた悠姫の前に現れたのは、謎のマッチョ集団だった。
「…!?」
ぴし、と固まった悠姫の前で、関守 平が次の課題の説明を始める。
「彼らの夕食を完成させた者から自由時間とする」
「その人達は誰ですか!?」
「近くの施設で合宿中の、上腕大学ボディービル部の皆さんだ。
続いてアメフト部、レスリング部もここへ来ることになっている」
平は一つのステーキ御膳を机に出すと、
「これを各自50食分作ってもらう」
と言い放った。それに愕然とする生徒達の中で、悠姫が手を上げる。
「質問です!私達の夕食は!?」
「50食仕上げた者から自分でまかないを作り済ませなさい」
「自分で作る…!?豪華ディナーは!?」
「そんなものは無い。ちなみに合宿中の朝食、夕食は全て
各自で調理してもらうのでそのつもりで」
悠姫はそれを聞くと放心したように項垂れた。
ああ…、悠姫の心が…。
平はカチャリと懐から小さな時計を取り出すと言った。
「最後にもうひとつ。
60分以内に完遂出来ない者はその時点で退学とする。始め!」