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Suprême.

第6章 Tes chaussures.


『…よし、終わり』

かちゃん、と最後の膳をカウンターに置くと、

「白澤 琥珀、50食達成!」

という声が上がる。

『じゃ、お先に失礼するね、創真』

「おーまじか、はえぇなぁ」

創真にひらりと手を振って、琥珀は会場を後にする。

さて…、と一旦部屋に戻った琥珀は、ベッドに腰掛けて深く息を吐いた。

『タクミが来るって言ってたし…、先にお風呂でも入っちゃおうかな』

着替えとお風呂セット、お気に入りのヘアオイルを持って、琥珀は浴場へと向かう。

その目の先に、見知った後ろ姿がうきうきと歩いていくのが見えた。

『あれ、えりな?』

「あら、琥珀。今からお風呂に?」

『うん、そう。みんなが来る前に入っとこうかなーと思って』

「そう、それじゃ一緒ね」

浴場へ着いた二人は、堅苦しい制服を脱ぎ1枚のバスタオルを羽織る。

体を一通り洗い広々とした湯船へ体を沈めた二人は、ふぅ、と深く息を吐き出した。

『とりあえず合宿一日目お疲れ様〜』

「琥珀もね。日向子さんから聞いたわ。流石だって、褒めてたわよ」

『いやいや、私なんてタクミのフォローしただけで何にもしてないんだよ』

えりなはふふ、と小さく笑う。

「そのフォローだって、珠宝席がするのと素人がするのとじゃクオリティが違うわ」

『お褒めにあずかり光栄ですね』

「もう、すぐそうやって茶化す…」

『褒められるのは得意じゃないんです〜』

琥珀はそう笑って、勢い良く立ち上がった。

湯船がじゃぱんと音を立てて波が跳ねる。

『さて、もう行くよ』

「そう。もう少し話していたかったんだけど」

『ごめんね、客人が来る予定でさ』

「…また?やめておいたほうがいいって、あれほど…」

えりなが顔をしかめるのを見て、琥珀は苦笑をこぼす。

『寂しがりだから。

それじゃあね、また明日も頑張ろ』

琥珀はそう言って浴場を後にした。
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