第2章 Début.
「諸君は、中等部での3年間で調理の基礎技術を得、食材への理解を深めた。
実際に料理を行う調理教練は元より、各種の座学、
調理理論、栄養学、公衆衛生学、栽培概論、経営学…、そして今
高等部の入り口に立った訳だが…。
これから試されるのは、技巧や知識では無い。
料理人として生きる気概そのもの!
諸君の99%は、1%の玉を磨く為の捨て石である!!」
総帥は、生徒達を指差しながら続ける。
「昨年の新1年生812名の内、2年生に進級出来たのは76名。
無能と凡夫は容赦なく切り捨てられる。
1000人の1年生が進級する頃には100人になり、
卒業まで辿り着く者を数えるには、片手を使えば足りるだろう。
その一握りの料理人に君が…、君がなるのだ!!
……研鑽せよ。以上だ」
総帥が去った後の生徒達は、やる気に満ち溢れていた。
『流石だな〜』
等と感心していると、司会が続いて__、と言葉を続ける。
『っと、行かなきゃ』
「"珠宝席"からのお言葉です」
マイクの方へと進み出る。
『えー…と』
生徒達を見渡すと、驚きの表情で溢れていた。
『お久しぶりです、珠宝席の白澤です。
中等部卒業式の時には、フランスへ単身研修の最中だったので
一緒に出席する事が出来なかったのですが…、
少し早めの帰国になった事で、こうして皆さんと一緒に
高等部始業式に出席する事が出来て大変嬉しく思っております。
フランスでは、最先端の分子ガストロノミーについて、
半年間学ばせて頂き、とても実りのある研修でした。
これから私達は、高等部へと進級します。
これから待ち受けているのは、ただのお勉強…ではありません。
自分の手で、技術と知識の持ち得る限りを細まで尽くした自分の皿で、
自分自身の価値を皆へ知らしめて行かねばなりません。
そうして生き残った1%の料理人が、私の所まで登って来るのです。
私の上を登って行くのです!
最後に…みんな、ただいま!これからまた、宜しくお願いします!』
ぺこりとお辞儀をして、壇上を降りていく。
噛まずに言えた…、と琥珀は胸を撫で下ろしていた。