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Suprême.

第5章 Connaissance de la viande.


『創真ごめんね、今日は付き合えなくて…』

「いやいや、琥珀も忙しいんだし仕方ねぇよ!

わざわざ部室前まで送ってくれてサンキューな!」

試作を始めてから3日目。

いいレシピも見当たらないまま、とうとう当日を迎えてしまった。

律儀に研究室の前まで創真を送った琥珀は、

申し訳無さそうに謝る。

『今日の夜の食戟は必ず観に行くから!!!

最終の追い込み、頑張ってね』

創真の手をぎゅっ、と握りしめると、

琥珀は真剣な眼で見つめた。

「お、おう…。任せとけって!

今日は田所が付き合ってくれてるから大丈夫だよ!」

『恵もごめんね…。創真のこと、よろしくね』

隣にいた恵にも申し訳無さそうに謝る。

「大丈夫だよ琥珀ちゃん!

創真君の言う通り忙しいんだから仕方ないよ!!

琥珀ちゃんこそ頑張ってね!」

『ありがとう。

そろそろ時間だから行かなきゃ。

それじゃ、頑張ってね!二人とも!』

「おう!」

「うん!」

琥珀は二人に手を振ると、

いそいそと車に乗り込み会議室へと向かう。

『さて…、合宿の書類もまとめなきゃいけないな…。

課題のことも考えなきゃいけないし…』

会議室に到着すると、既に他のメンバーは集まっていた。

その内の一人の男が不快そうに話しかける。

「…遅かったじゃねぇか、琥珀」

『すみません小次郎さん…。少し野暮用があったもので…』

くすくす、と笑いながら一人の女性が琥珀の肩を触る。

「仕方ないですよぉ、琥珀ちゃんは忙しいんですから」

「久し振りだな、白澤。元気そうでなによりだ!」

『お久し振りです…。銀さんこそ、お変わりないようで何よりです。…皆さんも』

と琥珀が見渡しながらそう言うと、メンバーはふっと笑った。

「それじゃあ白澤も来たことだし始めようか。…合宿内容のミーティングだ」
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