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Suprême.

第5章 Connaissance de la viande.


『どうかな?琥珀ちゃん』

とおにぎりを口に運ぶ琥珀に、恵が声をかける。

『うん、すごく美味しいよ!

どれも繊細な仕事がしてあって。流石だね』

それを聞いた恵は、よかったぁ、と笑う。

「これは昆布か…、おにぎりの定番だね!」

と一色先輩もおにぎりを頬張る。

「…!昆布の佃煮と…チーズ!?」

「はい!佃煮のこってりした甘さが、

チーズに意外と合うんです!」

1つめ、2つめと口にして、創真は最後の種類を手に取った。

「じゃあラストはなんだ!?」

と創真はおにぎりをかじる。

「うんめーーー!!!!

ニンニクの風味がたまんねぇ!!!」

「これはね、豚肉のニンニク漬け!

こないだ授業で創真くんが蜂蜜使ってたのを見て、

私なりに工夫してみたんだ!

茹でた豚バラ肉をニンニクとお味噌とお酒、

蜂蜜を混ぜたものに漬け込んだの!

ご飯にすっごく合うから、細かく切っておにぎりに入れたんだ」

へぇ、と創真は感心したように恵の話を聞く。

「あ、麦茶とほうじ茶もあるから、好きな方をどうぞ」

わぁっと女子達から声が上がる。

琥珀もお礼を行って、ほうじ茶を貰って飲む。

ほう、とみんなで一息をつくと、

「これが田所ちゃんの料理の魅力だね…。

食べる者の心を、穏やかにしてくれる」

創真はまたおにぎりを食べながら、

「ささみはパサついてねぇし、豚肉もばっちり柔らか。

どれも丁寧に仕事がしてあるな」

と褒めると、恵はえへへ…と嬉しそうに笑う。

「なんでこれが授業でできねーんだ?」

その一言が恵に刺さる。

「うぅ…わ、私、昔からあがり症で…。

緊張すると頭が真っ白になって、失敗ばかりしちゃって…」

としょげたように恵が言う。

「ふーん…大変だなぁ」

「もっとリラックスして調理することだよ、田所ちゃん」

と一色先輩が恵を励ます。

「うんうん!

恵はいい料理人といいお嫁さん、どっちもなれるよ!」

と悠姫が言うと、恵は嬉しそうにそうかなぁ?と

頬をかいた。

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