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Suprême.

第3章 Vierge Marie.


「なんつーか…、変人ばっかりか、この寮」

と呟いた創真に、恵は引き気味に笑いながら言った。

「すぐ馴染めるよ、創真くんなら」

慧は紙コップを少し上に上げて、

「みんな、飲み物は持ったね。では、幸平 創真くんの前途に、

琥珀ちゃんの活躍に、そして、

極星寮の栄光に!乾杯!!」

「「かんぱーい!!」」

と皆が声を揃える。

皆が持ち寄った皿を、思い思いにつつき会話を交わす。

「だっはっはっはは!!!

なんだよこのお米のジュース!!うめーーっ!!」

ともう酔いが回ったのか、創真はご機嫌で料理を楽しんでいる。

『もう早速馴染んでる…』

と感心にも似た気持ちで創真を眺める。

ご機嫌で熱唱する創真を横目に、振動したスマホを確認する。

“兄”からのLINE。

文字を見た琥珀は眉根を寄せ、スマホを仕舞った。

「飯だ!飯が足りねーぞ!!」

と叫びだした創真に、伊武崎 峻が立ち上がる。

「今日燻した分出すか…」

と戻ってきた手にはスモークチーズとジャーキー。

「スモークチーズと3種のジャーキー」

ジャーキーをつまみに更にお米のジュースを飲む創真。

「っあーー!スモーキーな塩気がたまんねぇ〜!」

「伊武崎の仕事に外れなーし!」

もう動作がオヤジなんだよな…、と

琥珀もジャーキーをつまみながら思う。

「当然だろ」

おら食え!、と大吾が出してきたのは野菜のかき揚げ。

「裏の畑で取れたばかりの、野菜詰め合わせかき揚げ!」

「不味いわけがないっ!」

と言いながらかき揚げにがっつく創真。

『楽しそうだな〜…』

「はっはっはっは!!美味いだろ〜そうだろ!」

「ま俺が先週出した海老フライの方が美味しかったけどな」

「おうおう、極星1の味音痴かテメェコラ」

「んだとコラ」

と二人はまた本棚をひっくり返しながら喧嘩する。

「あぁまた!!」

「料理人なら皿で語ってみろや!」

「上等だ8分程待ってろ」

それを悠姫がちょっとー!、と止める。

「そうやって毎回作り過ぎるんだから、程々にしなさいよね!」

「うっせージビエ女!」

と二人は声を揃えて言う。

「獣臭えんだよお前の部屋周辺!」
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