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Suprême.

第3章 Vierge Marie.


かさ…と金色のパイプから物音がすると、

「琥珀ちゃ〜ん…」

とか細い声が聞こえてくる。

『何ですか?』

「新入生くんの歓迎会をするよ!

琥珀ちゃんも是非おいで!!」

と急に元気になった声に、はーいと返事をすると、

歓迎会が行われているであろう205号室へ向かった。

「だーかーらー、僕は筆記試験の勉強で忙しいんだ!

宴会なら何処ぞの部屋で好きにやればいい!

何故いつも僕の部屋でやるんだ君たちは!!」

と部屋につくなり、205号室の主の怒声が聞こえてくる。

カチャ、と扉を開けると、丸井 善二が青筋を立てて怒っている。

「お!きたね〜」

と悠姫が笑って手を振る。

『お待たせ〜、お邪魔します!』

「仕方ないじゃん、丸井の部屋が1番広いんだもーん」

と悠姫が爪を弄りながら笑うと、

「勝手にベッドに座るな!!」

と善二は怒る。

「いつ来ても綺麗にしてるしね」と榊 涼子。

「今やっと片付けたんだよ!」

「さっきまで本が散らばってたしなぁ」と佐藤 昭二。

「お前らが暴れたからだろ!!」

「つーか、もっと椅子用意しとけや」と青木 大吾。

「するかー!!」

そんなやり取りを隣で聞く琥珀は、

善二もいつも大変だなぁ…、と心の中で苦笑する。

創真の隣がちょうどあいているらしく、

琥珀は静かに座る。

「お、まさか田所と琥珀と寮が一緒とはな〜」

『ほんとだね、私も驚いたよ』

と軽く笑う。

恵はそうだね、と返事をしたあとあ、と声を上げた。

「てことは創真くん、入寮腕試しを一回で合格したの?」

「まぁな、なんとかなってよかったわ!」

「すごいよ‥!一発クリアした人ほとんどいない筈なのに…!」

創真はへぇ…と相槌を打つと、

「お前はどうだったんだ?」

と恵に尋ねる。

すると恵の顔がぴくりと引きつり、

ふらりと視線を泳がせた。

「え、えぇと…。まあまあかな…」

と答えたあと、後ろを向いてしまった。

創真はわからない、と言ったように首を傾げる。
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