第9章 新年ノ挨拶【元日企画】
────時計の針は、23:55を指していた。
「奏音、入るぞ〜。」
中也は何やらニコニコして部屋に入ってくる。
『何ニヤニヤしてるの…』
奏音は書類整理をし乍応じる。
「ンだよ手前、未だ書類整理終わってねェのかよ。」
『だって…治が先刻から邪魔をしてくるんだもの。』
そう云って奏音は右下に目線を向ける。
すると、太宰が舌をぺろりと出し乍出てくる。
「太宰…?!てんめぇ…何してやがる!」
中也は目を見開いて叫ぶ。
「何って…奏音の所に遊びに来ただけなのだけど?」
しれっとした顔で返す太宰。
『…喧嘩したら2人とも出ていってもらうからね。
新年くらい仲良く明かそうよ。』
奏音が微笑むと、2人は静止画のように動きを止める。
『あ、もう少しだよ。』
奏音がそう告げ、3人で秒針を見詰める。
「3,2,1………明けましておめでとう、奏音。」
「明けましておめでとう。」
『明けましておめでとう、2人共。今年もよろしくね!』
3人はお互いを見合わせて笑う。