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ポートマフィア短篇集

第8章 Save me/中原中也


「っ、いた…」

涙を拭いながら、立ち上がろうとする魅月がいたたまれなくなり、思わず肩を抱き寄せた。

息を飲むような魅月の小さな声に、中也は落ち着かせようと肩をさする。

「中原さん…!?あの、どうして…」

中也は自身がしてしまったことに顔を赤らめながら、だが今更後戻りも出来ないまま、魅月の顔をのぞき込むと、子供をあやすような口振りで、
「遅くなって、悪かったな」と言った。

その言葉や、彼の行動、安全なことがわかった魅月は、ほぼ決壊しかけていた涙のダムを溢れさせ、中也の胸の中で嗚咽を繰り返していた。




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