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if...もしもあの時…

第1章 それは突然に…


私の夢の中に見知らぬ男性が現れた。
歳の頃なら四十前後、タキシードを着こなし、片眼鏡をかけ、ステッキを持っていた。
「わたくし、主より命を受けまして、貴女様の寿命をお知らせに参りました」
この執事の様な丁寧な挨拶と、とても受け入れ難い内容。
(何なの?夢…よね…これ?)
「誠に残念ながら貴女様の命の灯は一年後に消えてしまいます
この一年、どう過ごされるかをよくお考えになりますようにと、主から言付かっております」


「…誰?あなた?」
やっと言葉が出た。
「だいたい何!?
黙って聞いてれば、人の夢の中にいきなり現れて、勝手に人の寿命がどうとかこうとかって!!
それに何なの!?その格好!?主とかって、それじゃあ貴方、まるで執事じゃない!
でも、これって私の夢よね!?って事は、主は私で私が私の寿命を決めるなんておかしくない?
何なのよ!本当に!?」
思った事を一気にまくし立ててしまった。

しかし、執事は涼しい顔をしている。
「大変、失礼致しました
わたくし、リチャードと申します」
執事は深々とお辞儀をした。
「主の名は申し上げられませんが、残念ながら貴女様ではございません
誠に勝手ながら、貴女様の夢にお邪魔させて頂きました」
執事はまた頭を下げた。
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