第2章 scene1:教室
「HIME…ちゃん? もしかして、感じちゃってる?」
ああ…、もう相葉さんの意地悪ぅっ!
これでも僕、必死で我慢してるのに、耳元(状況的に仕方ないんだけど…)で「可愛いね♡」なんて言われたら、僕の我慢が台無しになっちゃうじゃん…
それでなくても勝手に腰が揺れちゃうのに…
「さっきあんなに出したのに、まだ出し足りない?」
違う…、なんて言えないよね…
だって僕の中心、しっかり上向いちゃってるし…
「うん…、でも駄目…」
「どうして? 触って上げるよ?」
本当は触って欲しい。
シャワーのせいかもしれないけど、すっごく身体だって火照ってるし、上向いた中心だってズキズキと痛い。
でも駄目なんだ、これ以上は…
カメラが回っていない以上、今の僕は“HIME”であって“HIME”ではないから…
本当の“僕”だから…
「ごめんなさい…。後は自分で…」
僕は相葉さんの手を掴むと、少しだけ背伸びをして中に挿っている相葉さんの指を引き抜いた。
「そっか…。じゃあ…、俺は外で待ってるね?」
残念そうに笑って相葉さんがシャワー室を出て行く。
一人になって、多少のゆとりは出来たけど、なんだかちょっと寂しい。
でも仕方ないんだ…
カメラの前以外では、HIMEの姿でセックス…ううん、そこに繋がる行為はしないって、この仕事を始める時に決めたことだもん。
「はあ…」
僕は一つ溜息を落としてから、ずっと僕の顔を見上げている中心に手を添えた。
このお仕事をしてる限り、定期的に発散してるから、溜まるってことはないのに、自分で処理しなきゃなんないって…
なんだか虚しい…
それでも出すモノは出さなきゃだから、 僕は無心で手を動かした。
そして…
「あっ…、あんっ…」
僕は壁に向かって熱を吐き出した。