• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第2章 scene1:教室


「お待たせ…しました…」

新しい下着の上にバスローブを羽織ってシャワー室を出ると、相葉さんがTシャツなハーフパンツという、なんともラフな格好で廊下で足踏みをしていた。

そっか…、ろくに温まることなくシャワー室から追い出す格好になっちゃったから…

「ごめんなさい、寒かった…ですよね?」

相葉さんに申し訳なくて、僕は汚れた下着とフワモコバスタオルをギュッと抱き締めたまま、頭を下げた。

「あ、ああ、そんなの全然気にしなくて大丈夫だから…」

「でも…」

僕のせいで相葉さんが風邪でも引いたら…

「それよりHIMEちゃんの方こそ、この後スチール撮影があるんだよね?」

あ、そうだった…

すっかり忘れてたけど、この後屋上でパッケージ用のスチール撮影があるんだった。

「大変…、急いでメイク直さなきゃ…」

メイクだけじゃない、着替えも…

「あの僕…」

「うん、先行って? 俺は今日はこれでもう上がりだし…」

「あ…、お疲れ様でした…」

「HIMEちゃんこそお疲れ様。あ、今度連絡しても良いかな? 仕事抜きで飯でも行こう」

相葉さんが小指と親指を立てて、電話をかける仕草をする。

それが妙におかしくて(笑)

「はい、勿論です。あ、でも…」

「分かってるよ、“セックスは抜きで”でしょ?」

相葉さんが両目をバチンとばかりに伏せる。

ねぇ、それって…もしかしてウィンクのつもり?

全然出来てないけと(笑)

「じゃあ僕…」

「うん、頑張って」

「はい♪」

僕は相葉さんに再度深々と頭を下げると、スリッパ履きの足で階段を駆け上がった。

途中、下の方で盛大なくしゃみをするのが聞こえたような気がしたけど、気にしてられない。

僕は、僕専用の控え室にと用意された教室に駆け込んだ。


『教室』ー完ー
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp