第2章 scene1:教室
「ここ? ここに、何が欲しいの?」
指で押し開いたそこに、相葉さんの指先が触れる。
周りを撫でられると、ローションで濡れているせいか、クチュクチュといやらしい音がして…
それだけで僕の顔が熱くなる。
「意地悪…しないで…?」
僕は唇を尖らせ、答えを迫るように見下ろして来る相葉さんの視線から逃れるように、顔を背けた。
そしてスカートの裾を掴んでいた手を解くと、その手を相葉さんの中心へと伸ばした。
まるで心臓がそこにあるみたいに脈打つ中心を握り、愛おしむように撫でながら、僕の“そこ”にゆっくり導いて行く。
「先生が欲しくて…、我慢出来ないの…」
甘い声で相葉さんの情欲をそそるように囁きながら…
「君は教師を惑わす悪い子だ…。それに…」
それに…、何?
「厭らしい子だ…」
いや…、言わないで…
心で思うとけど、否定出来ない僕は、
「俺をこんなにした罰を受けて貰うからね?」
柔らかな笑顔は変えないまま、目の奥だけがキランと妖しく光らせ僕を見下ろす相葉さんに、胸を高鳴らせて頷く。
だって僕…、これ以上焦らされたら、おかしくなっちゃいそうなんだもん…
メイクが崩れちゃうのは…、ちょっとだけ嫌だけど、どうせおかしくなるなら、滅茶苦茶になるくらい抱かれて、狂ってしまいたい。
僕は相葉さんの首に両腕を回すと、スっと息を吐き出し、全身の力を抜いた。
そうしないと僕は勿論のこと、相手役の男優さんも辛いから…ってのは、この仕事を始めてから知ったことなんだけどね?
あ、でもね、設定上は“初めて”ってことになってるから、そこはちゃんと痛そうな顔だってするし、声だって当然…
一応こんなでもお仕事だし、ちょっとくらいの演技はしなきゃだしね?
それにね、僕自信はあんまり意識したことはないんだけど、挿れられる時の僕の顔って、案外評判良いみたいで(笑)
この間もファンレターって言うのかな…
僕の“顔”が好きで、想像しながら一人で…なんてことも書いてあったし…
だからね、お芝居なんて出来ない僕だけと、頑張れちゃうんだよね(笑)