第2章 scene1:教室
「スタート!」の声と同時に、カメラを構えた監督さんが、僕の口元にレンズを向ける。
その時になって、グロスを塗り直すのを忘れたことに気付いたけど、もう遅い。
相葉さんが片手で僕の顎を持ち上げ、片手でスラックスのチャックを下ろした。
想像と期待を裏切らない、ライムグリーンの下着と、その下に隠された膨らみが、僕の目の前に晒される。
「授業中にイケナイことを想像してたお仕置だよ?」
「先せ…、ごめ…なさい…」
「だーめ、許さないよ?」
「あっ…!」
スラックスを床に落とし、空いた手が僕の後頭部を抑えて、僕の顔をライムグリーンの下着に押し付ける。
鼻先がグリグリと押し付けられて…、息が苦しい…
でもこの匂い…
洗濯したて…なのかな、洗剤の匂いに混じって微かに香る、ツンと鼻をつくような雄の匂い…
この匂いをもっと強く感じたい。
僕は息苦しいながらも、突き出した舌先でその膨らみを下着の上からペロリと舐めた。
ビクン…と、相葉さんの身体が一瞬震える。
ああ…、この手が自由になったら…、そしたら僕の舌と膨らみを隔てるこの壁を取り除くことが出来るのに…
なんてもどかしくて…、忌々しいんだろう…
僕は口を大きく開き、唇で挟み込むようにして、相葉さんの膨らみを布越しに咥えた。
「君は…本当に悪い子だね…」
そうよ、HIMEは悪い子なの…
だからもっとお仕置して?
僕は身動きが取れない代わりに、目だけで相葉さんに訴えかけた。
その時、
「ん…、んんっ…」
ヒンヤリとした感触をお尻に感じて、ビクンと揺らした身体と同時に、机がガタンと揺れた。
「あっ…、は…ぁ…っ…」
嘘…
良くある事だって知ってるけど…
でもまさか監督さんが…なんて、台本にも書いてなかったし、僕聞かされてもいないよ…