第2章 scene1:教室
籠の中からあれこれ取り出しては、相葉さんが一つ一つ電源を入れて動きを確認して行く。
縦に伸縮するのもあれば、横に振動するのもあって、勿論上下左右に回転する物だってある。
色だって形だって…、用途だって様々。
だから、
「HIMEちゃんはどれが好みなの?」
って聞かれたって、パッと答えられるわけがない。
だって、どれもお気に入りばかりなんだもん。
でも強いて一つを上げるなら…
「その…グリーンの、かな…」
電動式ではないけれど、数珠繋ぎになった大小の玉が、僕のお尻を出挿りする度に擦れて…、堪らなく気持ち良かったりするんだ。
「へえー、ふーん、これかぁ。じゃあ、今日はこれを使わせて貰おうかな。良い?」
「はい…」
今まで共演(…なんて言える程のものでもないけど…)した男優さん達は、皆それぞれ自分の気に入った玩具を選んでたし、僕に「良い?」なんて聞いてくれる人もいなかった。
やっぱり相葉さんて優しいんだね?
「じゃあ…、そろそろ始めようか? HIME、準備は?」
もう…、監督さんたらそんなこと聞かなくたって分かってるくせに…
「はい、大丈夫…です」
僕だって、この状態が続くのは…、流石に辛い。
「OK! ここからはカメラ止めないから、そのつもりで」
「はい。宜しくね、HIMEちゃん」
「こ、こちらこそ宜しくお願いします」
ふふ、何だか変なの(笑)
これから最も恥ずかしい部分を晒して、カメラの前でセックスしょうってのに、几帳面に挨拶なんて…
こんな人、僕初めてだよ(笑)
相葉さんて、優しい上に、とっても礼儀正しくて…、見た目の爽やかさ以上に、紳士な人なんだね。
初めての共演だし、どんな人かと思ったけど…、ちょっと安心しちゃったかも。
「あの…、相葉さん?」
「ん、何なに? どうかした?」
「いえ、あの…、いっぱい気持ち良くなって下さい…ね?」
仕事のためにするセックス…
でも相葉さんには、僕でうーんと気持ち良くなって貰いたい。