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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第150章 ◇第百四十九話◇戦場の天使は剣を振るう【女型の巨人編】


もうアニは奪い返せないかもしれないー、ジャンに諦めと絶望が過り始めたときだった。
頭上を白い翼が飛んで行ったのが見えた。
一瞬、死の間際の自分を天使が迎えに来たのかと思ってしまったが、大間違いだ。
自分達を窮地から救うために、戦場の天使が帰って来たー!
行く手を阻む巨人を空を踊るように討伐しながら、真っ白いウェディングドレスを真っ赤に染めていく彼女はー。

「よかった!間に合ったっ!!」

アルミンが建物の上に飛び降りて、ホッとしたように言う。
その隣に降りて、ジャンはアルミンの頭をグシャグシャッとする。

「よくやった、アルミン!!
 いねぇと思ったら、さんを呼びに行ってたのか!!」
「もうそれしかないと思って。戻るまで持たせてくれてありがとうっ!!」

帰って来たの姿に気づいた104期の新兵達が、あちこちで歓喜の声を上げた。
ミカサでさえも、ホッとしたように息を吐く。
なぜかボロボロのウェディングドレス姿で巨人を討伐しまくるに憲兵達は驚いていたが、それでも、彼女のおかげで戦況が変わりつつあることには気づいたようだった。
あっという間に鎧の巨人の元へたどり着いたは、目にも留まらぬ速さで口の両端を削いだ。
そして、開いた口の中に恐怖せずに足を踏み込むと、ベルトルトとアニを繋いでいる紐を切った。
透明の石に包まれたアニが落ちていく。
それをすかさず、ミカサが受け取る。

「やったーーーッ!!やりましたよ!!!」

遠くからサシャの嬉しそうな声が聞こえてきた。
でも、本当に、まだ勝ったわけではないのに、歓喜の雄たけびを上げそうだ。
が戦場に現れてほんの数分で、戦況は完全にひっくり返った。
あれほど、もう二度とアニは奪い返せないのかと諦めていたのが嘘のようだ。
ジャンとアルミンは、お互いに顔を合わせるとハイタッチを交わした。
勝機が見えてきたー。
いや、戦場の天使の凛々しい横顔には、勝利しか見えなかった。
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