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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第16章 ◇第十五話◇入団【調査兵団入団編】


「君は、どんな兵士になりたいと思っている。」

それは、とても意外な質問だった。
でも、私の答えは決まっている。
兵士としては頼りないかもしれない。そもそも公に心臓を捧げると誓う兵士としては間違った答えかもしれない。
でも、もう決めた―。

「誰も死なせない兵士です。」

私の答えに、ハンジさんは驚いたようだった。
ビックリして息を呑んだ音が隣から聞こえた。
だが、エルヴィン団長は眉一つ動かさなかった。
予想通り―そう言われているみたいだった。

「それは、人類最強の兵士になるよりも難しい道のりだ。
 志半ばで君は絶望を見るだろう。それでも、君は困難な道を歩くか。」
「私の兵士はひとつしかありません。」
「そうか。」

エルヴィン団長はそう呟くと、わずかに目を伏せた。
そうして、ゆっくり顔を上げ、私を見つめる。
その瞳は力強く、改めて、私の命を彼に預ける覚悟をした。

「 今この瞬間より、君を正式な調査兵団として迎えよう。
 これが本物の敬礼だ!心臓を捧げよ!!」
「心臓を捧げよ!!」

エルヴィン団長に、覚えたての敬礼で応える。

「、心臓が左になってるよ。」
「あ!」

慌てて心臓を叩く手を変えようとして、正しく左胸を叩いていることに気づいた。
騙された。
ハンジさんが大笑いするから、私も笑った。
でも、よかった。
本当は、ほんの少しだけ、泣きそうだったから。
私は今日、正式な調査兵団の兵士になった。
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