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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第130章 ◇第百二十九話◇会いたくない【女型の巨人】


「あー!いたいたー!リヴァイっ!」

とても親し気にリヴァイ兵長の名前を呼び捨てにした声がして、みんながその声の主を探す。
兵士達が刃を振るう訓練場には不似合いなレースの可愛らしいワンピースを身に纏った若い女性がすぐに見つかった。
太陽の光を反射させてキラキラ光る金髪の長い髪をカールさせた美女を見たとき、リヴァイ兵長が一瞬だけ眉を顰めた。
でも、まるで恋人にするみたいに抱き着いた美女を引き剥がそうとはしなかった。
美女は、リヴァイ兵長にギュッと抱きついたまま話し始めた。
2人のまわりで、何が起こっているか分からずに呆然としている私達のことなんて、全く見えていないみたいだった。

「晴れたらデートしてくれるって約束だったでしょう?」
「今日は訓練だから行かねぇと言ったはずだ。」
「でも、晴れたもんっ。だから、会いにー。」
「とにかく、離れてくれないかな。私達は今、生きるための訓練の最中なんだ。
 君だって、リヴァイが死んだら嫌なんだろう。」

ハンジさんが、リヴァイ兵長に抱き着く美女の腕を掴んで引き剥がそうとするけれど、「えー、いやだぁ。泣いちゃう。」と可愛らしく口を尖らせるだけで、離れようとはしない。
どうやら、ハンジさんも彼女のことを知っているようだった。
きっと、ゲルガーさんはこの人のことを言っていたのだろう。
後は、他に誰が知っているのだろう。
リヴァイ兵長の心変わりを、知っていたのは誰なのだろう。
でも、もう、そんなこと、どうだっていいー。
私が信じたリヴァイ兵長はもう、崩れて、壊れて、粉々に落ちていったのだから。
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