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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第127章 ◇第百二十六話◇花嫁になり損ねたブライズメイド【女型の巨人】


しばらくして、離れたときは、2人ともどちらのものともわからない唾液で唇を濡らしていた。

「リヴァイ兵長は、私が他の人と結婚しても、平気ですか…?」

私が訊ねると、リヴァイ兵長は一瞬目を反らした。
でも、気持ちはもう決まっているのか、すぐに私の目を見つめ返して、そしてやっぱり、優しい顔でヒドいことを言う。

「それで、が幸せになるなら、俺はそれでいい。」
「私は、嫌です。」
「そうか。」
「他の人と結婚するのも、リヴァイ兵長が他の誰かの恋人になるのも、嫌です。
 そんなの、想像しただけで苦しくなります。
 だからもう…っ、二度と…っ、そんなヒドイこと、言わないで…っ。」
「…わかった。悪かった。」

私は、リヴァイ兵長をひどく責めるような顔をしていたのだろう。
謝罪したリヴァイ兵長は、私の涙を拭うと、ゆるゆると私を抱き寄せた。
温かい温度と耳元にかかる吐息。
そのすべてが、私に謝ってるみたいで、胸が苦しくなった。
お互いに苦しみを誤魔化すように唇を重ね合う。
それは熱い吐息を生んで、気づけば泣いてるみたいに汗ばむ肌をぶつけ合っていた。
眉間に皺を寄せ、余裕のない表情で、リヴァイ兵長が私の名前を呼ぶ。
私はそんなリヴァイ兵長の背中にしがみついて、爪痕を刻む。
しっかりと身体は重なり合っているはずなのに、世界中の誰よりも遠く感じているのは、私だけだろうか。
リヴァイ兵長も、同じように距離を感じていたのだろうか。
この日からだったと思う。
2人の間に、少しずつ溝が、すれ違いが生まれていったのはー。


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