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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第124章 ◇第百二十三話◇パパとママにさようなら【女型の巨人編】


空が白くなり始めた、朝方5時。
医療兵に離乳食というものを教えてもらって、寝る前にミルクと一緒にドロドロに溶かした食事を与えるようにしてからは、朝方までは寝てくれるようになって、私の睡眠不足はだいぶ解消された。
でも、リヴァイ兵長が、献身的に手伝ってくれているのがとても大きい。
なかなか出来上がらないミルクが待ちきれず、お腹を空かせたヨシュカが泣き出してしまい、私はソファから立ち上がり窓の外を見せながらあやす。
宿舎の最上階からの景色が好きなヨシュカは、ピタリと涙を止めて、窓を叩き始めた。
どうやら、お散歩に連れて行けということのようだ。
今日こそは、この子の母親は本当に迎えに来てくれるだろうか。
約束の1週間が、今日で3日過ぎてしまった。

「待たせたな。」

ようやく出来上がったようで、ホッとして振り返る。
普段は超硬質スチールを逆手で持つリヴァイ兵長が、哺乳瓶を持っているなんてー。
一生、見慣れそうにない。
だって、誰が想像しただろう。
人類最強の兵士が、赤ちゃんのためにミルクを作ってくれるなんて。
あの冷たい印象しか与えない切れ長の瞳で、お湯の温度とミルクの粉の量を真剣に計っている姿なんて。
基本的に、適当でいいや、の私を見ていられなかったリヴァイ兵長は、今ではミルク作りの達人だ。
慎重すぎて時間がかかるので、ヨシュカはいつも待ちきれずに泣いてしまうのだけれどー。

「ありがとうございます。いつも助かります。
 -ほら、ヨシュカ~。 
 今日も美味しいミルクを作ってもらえたよ~。」

礼を言って哺乳瓶を受け取り、ソファに腰を降ろした私は、早くくれとせがむように手を伸ばして口をあけるヨシュカにミルクを飲ませる。
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