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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第118章 ◇第百十七話◇いつか地平線を眺めるなら【女型の巨人編】


「俺は、お前だな。」

リヴァイ兵長の手が、私の胸に触れる。
そして、揉むもんだから、笑ってしまう。
ふざけないでくださいよーと頬を膨らませながら、それでも、一緒にふざけるのが楽しくて仕方がないのは、きっと私の方だ。

「私、よく見る夢があるんです。さっきもその夢を見てました。」
「あぁ、泣きながら美味いもん食った夢か。」
「違います。美味しいもの食べたのは、たぶん…、
 私じゃなくてあの子です。」
「あの子?」
「リヴァイ兵長、海って知ってますか?」
「話があちこち飛ぶな。」
「アルミンが教えてくれたんです。壁の外の世界には、商人が一生かけても
 取り尽くせないほどの巨大な塩の湖があって地平線にずーっと青が広がるんです。」
「それは、見てみてぇな。」
「私の夢に出てくるのが、その海だと思うんです。」
「夢の話に戻ったのか。」
「地平線の向こうにも続く大きな湖と白い砂の絨毯があって、
 隣にはいつも、私の手を握ってくれる人がいるんです。
 目が覚めると、いつも、その人は誰なんだろうって思ってたんですけどー。」

テーブルの上にティーカップを置いて、私はリヴァイ兵長の手を両手で包んだ。
この大きさで、細さで、感触でー。
絶対にこの手だ。
私がいつも、安心して、懐かしくて、愛おしいと感じていた手。

「今日見た夢で、私が握ってたのはリヴァイ兵長の手でした。」
「そりゃ、よかった。他の男だったら、夢の中にまで行って
 そのクソ野郎をぶん殴ってたところだ。」

冗談交じりな気もするけれど、ほんの少し目に本気が混ざっていて、私は苦笑する。
リヴァイ兵長なら、本当に夢の中にまで入ってこれそうだ。
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