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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第118章 ◇第百十七話◇いつか地平線を眺めるなら【女型の巨人編】


もう朝かと思ったら、漸く夜が明ける頃だったようだ。
道理で、部屋がまだ薄暗いと思った。
まだ眠っても良かったのだけれど、すっかり目が覚めてしまった私とリヴァイ兵長は、ソファに並んで腰かけて、お揃いのティーカップで紅茶を飲んでいた。
少し肌寒くて、2人で一枚のブランケットを肩から掛けて、ピタッと身体を寄せ合う。
それだけで、どんな凍える冬が訪れたって、暖かいねって言いながら越えていけそうな気がする。
私はきっと、もう、リヴァイ兵長のいない世界は生きていけないのだと思う。

「ねぇ、リヴァイ兵長。」
「ん?」
「私達は、何度も命を繰り返してるらしいですよ。」
「突拍子もねぇ話だな。」
「だから、死んだ人とも、必ずまた会えるんです。
 今出逢っている人も、生まれる前に逢ったことがある人らしいですよ。」
「そりゃ、面白ぇな。」
「信じてないでしょう?」
「お前の話じゃなけりゃな。」

適当に聞いていそうだけれど、私の髪をクシャリと撫でた手が優しかったから、それで良しとしよう。
こんな他愛もない雑談を、夜明け前に2人で出来るなんて、幸せだなぁ、ってそんなことで心が満たされているから。

「死んで、また生まれ直して、やり直しながら、
 私達の命は何処に行きつこうとしてるんでしょうね。」
「さぁな。」
「でも、ひとつだけ、分かるんです。」
「なんだ。」
「私の命の行きつくところはきっと、リヴァイ兵長です。」

そっと身体を離し、ティーカップを持っていない方の手で、リヴァイ兵長の胸に触れる。
規則的な心臓の鼓動が、一緒にこの世界に生きているという事実をこの世で一番美しい音色で教えてくれる。

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