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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第115章 ◇第百十四話◇水を得たいのに海を知らない魚【女型の巨人編】


目が覚めたら、朝だった。
すぐに昨夜の記憶が蘇り、私は飛び起きた。
胸元を見下ろし、シャツのボタンが全てとまっていることを確かめる。
服もちゃんと着ている。
シたのかー。シてないのかー。
シたはずだ。だって、リヴァイ兵長はそのつもりでー。
でも、途中から記憶がないー。

「やっと起きたか。」

腰のあたりから声がして、私は視線をベッドで横になるリヴァイ兵長に移す。

「どうしよう、リヴァイ兵長…。
 私、覚えてない…!」

凄くショックだった。
初めての夜だったのにー。
それを覚えていないだなんてー。

「覚えてねぇだろうな。途中で寝てんだから。」
「…え?」

飽きれたように私を見上げるリヴァイ兵長に、ベッドの中に引きずり込まれた。

「私…、寝たんですか…?」
「あぁ。何言っても起きやしねぇ。」
「…ごめんなさい。」

シュン、とする私を、リヴァイ兵長が抱きしめる。
耳元のあたりに聞こえる息遣いが、ため息になって、落ち込んだ。
途中で寝てしまうなんて、ショックだし、恥ずかしいし、このまま消えてしまいたいー。

「本当に、ごめんなさい…。」
「最近は休みなく働いてたからな、疲れてたのも知ってる。
 無理させて悪かったな。」
「違います…っ、無理なんてしてなくて…っ。」
「あぁ、分かってるから。お前は気にしなくていい。」
「でも、」
「大丈夫だ、その分の借りはきっちり返してもらうつもりだ。」
「え?」

嫌な予感がした私に、リヴァイ兵長は教えてくれた。
昨日の夜中、私のことを働かせすぎだとハンジさんの元へ殴り込みに向かい今日と明日、強引に休みにしてしまったそうだ。
だからー。

「さぁ、続きを始めようか。」

私に馬乗りになり、リヴァイ兵長が口元を歪める。
思いがけずお預けを食らった飢えた目つきの獣は、今度こそ、私が逃れることを赦してくれそうになかった。
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