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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第106章 ◇第百五話◇悪い予感【恋の行方編】


「わぁ、可愛いっ。
 ってこんな可愛いことするところもあるんだ。」

楽しそうなニファの声が聞こえて、ハンジの思考はそちらに移動してしまう。

「なに?」
「ほら、見てください。押し花の栞、手作りみたいですよ。
 こういう可愛らしいところもリヴァイ兵長の好みなんでしょうか。」

デスクの中からニファが見つけたのは、白い花の押し花だった。
栞として使っているようで、上の方にあけた穴に赤いリボンを結んでいる。

「それ、私達が作ってあげたんです。」

クローゼットから服を取り出しながら、フロリアンが苦笑する。
そのそばで服をたたんでいるマレーネ達も顔を合わせてクスクスと笑っていた。

「フロリアン達が?」
「リヴァイ兵長からもらったお花で押し花を作るって
 言い出したのはなんですけど、引くほど不器用なんです、あのコ。」
「最初は綺麗だった花もが触る度に面影なくしていって、
 押し花になる前に無残な姿になりそうだったので、私達が救出したんです。」
「そうそう、それ本当は花弁もバラバラどころか破れてて
 それを私達がひとつひとつ元の姿に見えるように必死に繋げたんですよ。」
「可愛らしいどころか、デストロイヤーですよ。」

押し花の栞がきっかけで、フロリアン達はデストロイヤーと名付けた友人の破壊者っぷりを面白おかしく話し始めた。
それを見ていると、彼女達と一緒に笑ったり怒ったりしているの姿が目に浮かぶようだった。
もう、独りぼっちで調査兵団にやってきたはいないのか。
1人で戦い、必死に生きて、決して優しさを忘れず、そうして手に入れた友人や恋人が、今のにはいる。
もうは独りじゃないのだと改めて思い知る。
ついさっき感じた悪い予感は、ハンジの胸からスーッと消えて行こうとしていた。
はずだったー。
棚の中から、が特に大切にしている天使の羽のティーカップに手を伸ばしたハンジは、誤って落としてしまう。
マズいと思ったときには、大きな音を立てて、ティーカップが真っ二つに割れた。
それはまるで、これから起こる悪夢を暗示しているみたいで、ハンジの顔色は真っ青になっていた。
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