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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第105章 ◇第百四話◇愛してるなら信じて【恋の行方編】


私を守ろうとしているのも、私を想ってくれているのも、力強い腕が教えてくれる。
そして、リヴァイ兵長が不安に襲われているのだということもー。

「大丈夫ですよ。私は絶対に生きて帰ってきますから。」
「壁外に、絶対、なんてもんは存在しねぇ。
 隣にいるやつが…明日も隣にいるのかなんて、誰にも分らねぇ。」
「私にはわかります。
 リヴァイ兵長が望む限り、私はずっと、リヴァイ兵長の隣にいますよ。」
「じゃあ、行くな。明日も隣で寝ろ。」
「そういうことじゃないんです…。」
「ダメだ。」

会議室では、納得したフリをしただけだったのかもしれない。
リヴァイ兵長は、絶対に私を離さない気だ。
だからきっと、昨日の夜、私をこの部屋に呼び出して、そのまま強引に泊まらせたのだろう。
でも、私も、昨日はずっと一緒にいたくて、リヴァイ兵長の腕の強さに甘えた。

「リヴァイ兵長、愛してます。」
「…知ってる。」
「リヴァイ兵長は?言ってくれないんですか?」
「…愛してる。お前より、ずっと。」
「それならー。」

そっと、身体を離して、リヴァイ兵長の頬に触れる。
きっと、どんなに足掻いたところで、私が壁外へ行くことはリヴァイ兵長も分かっているのだろう。
何といっても、彼は調査兵団のナンバー2である兵士長なのだ。
だから、調査兵が任務を放棄することができないことも、壁外が危険に満ちていることも、誰よりも理解している。
そして、それが、リヴァイ兵長を不安そうな表情にして、瞳の奥に恐怖を揺らしているということを、私も理解してる。

「信じてください。」

優しく頬を撫でれば、怯えるようにリヴァイ兵長の肩が震えた。
そして、肯定の返事の代わりに唇が落ちて来る。
行くなー。
言えない代わりに、唇に乗せて必死に訴えるリヴァイ兵長の悲痛な叫びを、私は聞いてあげられない。
でも、約束なら必ず守るからー。
私も、きつく抱きしめ返す。
あぁ、このまま、身体がひとつに溶け合ってしまえばいいのにー。
そう思っているのは、貴方だけじゃないのだと知ってほしくてー。


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