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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第103章 ◇第百二話◇夜の逢瀬を【恋の行方編】


あの日から、リヴァイ兵長は毎晩、私の部屋を訪れるようになった。
次の壁外任務の日程を決める会議の日は、夜遅くまで終わらず、会議の後もリヴァイ兵長は忙しく、顔を見せに来ただけだったけれど、それでも会いに来てくれた。
本当に約束通り、仕事の合間を縫って、ほんの少しでも顔を見る時間を作ってくれる。
一度、忙しい日は無理しなくてもいいと言ったのだけれど、無理はしていないと眉間に皺を寄せるからそれ以上は言えなくなってしまった。
終わらない、というかやるつもりなんて最初からなかった書類を持ってきて押し付けられたこともあったけれど、大抵はただ2人で並んでソファに座って、他愛のない話をするだけだ。
そして、リヴァイ兵長は寝るためだけに自分の部屋に帰って行く。
でも、今夜はー。

「部屋に戻らなくていいんですか?」

ベッドの中で、リヴァイ兵長に腕枕をされながら、私はもう一度、訊ねる。
今日は一緒に寝るー、そう宣言して、この部屋の主である私よりも先にベッドの中に入ったリヴァイ兵長は、やましいことを考えている様子もなく、ただ本当に寝ようとしているようだった。

「そう言っただろ。」
「でもー。」
「なんだ、嫌なのか。」
「まさか、嬉しいですよ。」

リヴァイ兵長の肩に頬を寄せて、甘えるように抱き着く。
嫌だから訊いてるんじゃない。
嬉しいから、本当なのか確かめたいだけだ。
今夜は朝までずっと、リヴァイ兵長が私と一緒にいてくれるなんて、なんて贅沢なんだろう。
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