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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第98章 ◇第九十七話◇悪魔との交渉【恋の行方編】


「それで、君も一緒に優雅な生活を送りたいってことかな?」

嘲笑うように言った。
だって、笑えるじゃないか。
今、が必死に名前を呼んで求めたリヴァイは、世間から悪魔と罵られ、その職まで奪われようとしている。
あの男と一緒にいれば、路頭に迷うのは逃れようがない。
それなら、優雅な生活を送る貴族がいいと思うのも頷ける。
がそんな女だとは思っていなかったが、この際、もうどうでもいい。
手に入るのなら、自分のものになるのなら。
いらなくなれば、捨てればいいだけなのだからー。
それなのにー。

「私が帰る場所は、調査兵団の兵舎しかないから。」
「あ、そう。」

本当に気に入らない。
どうして、この女は絶対に手に入らないのか。
恋人と呼んでいた時もそうだった。
どんなに口づけを交わしても、身体を重ねても、いつも心はどこか遠くにあって、この手に掴んだ記憶はない。
焦ってすぐに結婚しようとしていたのは、恐らくそのためだ。
早く完全に自分のものにしてしまわないと、誰かにとられるような気がしたのだ。
思った通り、意味の分からない男が今、の心を手に入れてしまった。
許せないー。

「それじゃ、願いってのは何かな。僕には見当もつかないな。」
「私のお願いはー。」

が告げた願いは、想定外だった。
でも、が本当にリヴァイという男を愛しているのなら、納得できる願いでもあって、余計に腹が立った。
絶対に、叶えてやるものかー。
一瞬で、そう決意するほどに。

「嫌だね。そんなことをしたら、あの男は何も失わないじゃないか。
 僕は君を失ったんだ。
 それなら、あの男にも大切なものを失ってもらわないとフェアじゃない。」
「失ったわ!!」

が声を張り上げた。
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