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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第93章 ◇第九十二話◇美しい世界を貴方と生きる【恋の行方編】


「え?リヴァイ兵長…、なんで、ここに…。」

私を守るように肩に手を添えていたペトラが、呟くような小さな声で言った。
信じられないという表情で見上げている彼女の顔に気づいて、私も顔を上げようとしてー。

「立てるか。」

私に差し伸べられる手、その先にあるのはリヴァイ兵長の優しい瞳だった。
言い争いの話題の主役だったリヴァイ兵長の登場で、怒号が飛び交っていた談話室が静かになっていく。
でも、その手を掴むべきか、私にはもう、分からなかった。
私がこの手を求めてばかりいるから、だからー。
いつまでも手を出さない私にしびれを切らしたのか、リヴァイ兵長は強引に私の手を掴んで、立ち上がらせた。
リヴァイ兵長の向こうに、ダイを見つけた。
クシャリと笑ういつもの笑顔じゃなくて、初めて見るような優しい微笑みを浮かべて、彼は唇だけを動かして何かを伝えてくる。

『よかったな。』

彼は確かにそう言ったのだと思う。
それで分かった。
きっと、ダイが連れてきてくれたんだ。リヴァイ兵長をー。
私が助けてほしいのは、リヴァイ兵長だと思ってー。
そうだけど、そうじゃないのに。
それでは、いけないのにー。

「リヴァイ兵長、私のせいでー。」

謝らないといけないと思った。
リヴァイ兵長に、リヴァイ兵長を大切に思う調査兵達に。
全て、私が悪いのだと話して、罰を受けるべき人が、罰を受けないといけないと思っていた。
ルーカスと、そして、私もー。
でも、謝罪の言葉を言い切る前に、リヴァイ兵長に手を引かれ、腰を抱かれ、唇を塞がれた。
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