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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第91章 ◇第九十話◇愛されるより愛したい、嘘、本当?【恋の行方編】


気持ちの良い風と照りつける太陽が、朝早く干されたシーツをあっという間に乾かしていた。
風に揺れて、ふわりふわりと踊る真っ白のシーツの中で、精鋭兵は、顔を赤くして、真っすぐに気持ちを伝える。
真っ白な、綺麗な心が、そこに見えた気がした。

「あの…、私ー。」
「いいんだ、分かってる。俺が、伝えたかっただけなんだ。
 返事がほしいわけじゃないし、聞かなくても分かってるから。」

訓練場で私を呼び出した彼、ダイは、悲し気な表情のままでハニかんだ。
それが、とても儚くて、私は胸がきゅっと締め付けられる。
彼はゲルガーさんの班に所属している精鋭兵で、顔を合わせることもよくあった。
騒がしい人達が多いゲルガーさんの仲間達の中で、彼が騒いだりするところはあまり見たことがない。
でも、決して友人が少ないわけではなくて、いつも仲間に囲まれていた。
冷たい雰囲気がリヴァイ兵長と少し似ているけれど、クシャリと目を細めて笑うこともある、とても素敵な青年だと思う。
身長も高いしー。

「が誘拐されたって聞いて、このまま二度と会えなくなるくらいなら
 どうしてちゃんと伝えなかったんだろうって、後悔したんだ。
 困らせたいわけじゃないから、そんな顔しないでくれ。」

ダイがそっと私の頬に触れて、思わずビクリと肩を揺らしてしまった。
傷ついた顔をしたダイだったけれど、その手が離れることはなくてー。

「最後に、抱きしめさせてくれないか。」
「え…?」
「それで、諦める。思い出に、するから。」

懇願するような切ない瞳ー、それがまるで、私を見ているようだった。
私は、リヴァイ兵長の前で、こんな苦しそうな顔をしているのだろうか。
こんな、今にも消えてしまいそうな悲しいー。

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