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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第84章 ◇第八十三話◇愛しい騎士を悲劇から救って【恋の行方編】


動くなーそう言うのは、自分の手が離れてしまうかもしれないのにからという理由ではないのだろう。
きっと、彼らの足や手が、私に触れてしまうのを心配しているだけでー。
必死に抵抗する私を見下ろし、モーリが最後の確認をする。

「その女は、ソイツらにどうしても犯されてぇみてぇだが。いいのか?」
「コイツには死んでも触れさせねぇ。」
「あぁ、そうか。じゃあ、死ね。」

モーリのその言葉が合図だったみたいに、私を抱きしめるリヴァイ兵長の身体に衝撃が加わった。
金髪の男達の歓喜の雄叫びが響く中、不規則な衝撃をリヴァイ兵長の身体越しに感じる。

「リヴァイ兵長…っ!離してくださいっ!」

私は必死に叫んで、リヴァイ兵長の胸を両手で押し返すくらいしか出来なかった。
それでも、リヴァイ兵長の身体は私を守って、背中や腕に暴行を受け続けていた。
私を守ることさえしなければ、リヴァイ兵長ならこんなやつら簡単に倒せるのに。捕まえて、憲兵団に突き出すことだって出来るし、爆弾犯の捜査を任されていた調査兵団の任務を完了出来る。
私を守ることさえ、しなければー。

「お願いです…っ!もう、やめてください…っ!」
「大丈夫だ。」

私の耳元で聞こえたリヴァイ兵長の声は、いつも通りだった。
たとえば、朝、食事室で会ったときに、ちゃんと食べてるかって聞いてくるときの声。
たとえば、昼、訓練のときに、体幹が大事だと立体起動装置の基礎を叩きこんでくれてるときの声。
たとえば、夜、談話室で星を見てる私に、作りすぎたからと紅茶を持ってきてくれるときのー。
金髪の男達の耳障りな笑い声と共に、リヴァイ兵長の身体は次々と衝撃を受けているのに、それなのにー。

「これくらい、どうってことねぇ。」
「私は平気ですっ!死んだっていいから、だからー。」
「いいから、お前はおとなしく俺に守られてろ。」

拒絶する私を、リヴァイ兵長がきつく抱く。
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