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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第71章 ◇第七十話◇幸せを握り潰す君の手を愛したから【恋の行方編】


「行くな。」

言って欲しかった言葉が聞こえた気がした。
幻聴だと思って、でも、もしかしたらと思って顔を上げたら、リヴァイ兵長と目があった。

「絶対に後悔させない。俺が死んでも守る。
 だから、どこにも行くな。」

リヴァイ兵長の唇が動いて、リヴァイ兵長の声が私の耳に届く。
幻聴じゃない。
私を握るリヴァイ兵長の手に、痛いくらいに力がこもっていて、これは夢じゃないと教えてくれる。

「騙されないで。 
 僕なら、君をこの世界で最も安全な場所で守ってあげられる。
 さぁ、おいで。」

いつも優しくて、私を守ってくれたルーカスの手は、すぐそこにある。
私を絶対に幸せにしてくれる手が、すぐ目の前にー。
でも、私の手はリヴァイ兵長に握られていて、痛さに痺れている。
だから、反対の手が、私の意思とは違うところで、救いを求めてルーカスの手に触れようとする。
どうするべきかー、そんなの分からない。
だって、私はとても傷ついていて、どうにかして傷を癒せないかともがいているから。
でも、今、分かっていることは2つ。
私が好きなのはリヴァイ兵長で、でも、彼は私を幸せにはしてくれないということ。
リヴァイ兵長は、気まぐれで優しくしては、私を傷つけては泣かせてばかりだ。
そして、ルーカスは私を愛してくれていて、絶対に私を幸せにしてくれる。
いつだって優しくて、私を決して傷つけないし、泣かせることだって絶対にない。
だって、私が愛してるのは、リヴァイ兵長だからー。
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