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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第61章 ◇第六十話◇星のない夜【恋の行方編】


ペトラが前に言っていた。
重荷を背負わせてしまうから、と気持ちを胸にしまう兵士も少なくないのだと。
彼女もそんな兵士の中のひとりだったのだろう。
気持ちを言葉にしてしまったら溢れてしまいそうだったから、彼女はきっとひとりで大切な人を想う尊い気持ちを抱えて、ひとりで戦ってー。

(ルルに想われてる人はとても幸せだったと思うよ。)

もしもその気持ちが伝わっていなくても、私の知らないところでルルの恋物語があって、彼女ならきっとその人のために優しさを届け続けていたのだろう。
それなのに私は、勝手に傷ついて、あんな風に気持ちを伝えて、そして、優しいリヴァイ兵長を私の前から消してしまった。

(早く、早く…。)

早く忘れないといけない。
いつまでも引きずっていたら、リヴァイ兵長にとっても重たいだけだ。
勝手に好きになって、勝手に傷ついて、勝手に嫌われるようなことをしてしまった私に、最後に唯一好きな人に出来ることは、忘れてしまうこと。
それしか、ないのだからー。

「声が…、聞きたいなぁ…。」

ポツリ、と漏れた私の心の声。
呆れた声が、怒った声が、冗談だって真面目に言う声が、優しい、声が。
私の名前を呼ぶ、リヴァイ兵長の声が、聞きたいー。

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