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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第61章 ◇第六十話◇星のない夜【恋の行方編】


真夜中の談話室も慣れてしまった。
次第に弱まってきた雨は、夜の談話室を静かな場所に変えていく。
窓辺に置いてある背の低い本棚の上に座って、私は雨の夜を眺める。
今夜も星は見えない。
でもー。

(ねぇ、ルル。今夜は、一緒に泣いてくれる?)

私は、親友の生きた証とひとつになった兵団マントを抱きしめた。
リヴァイ兵長から避けられるようになってから、星を見ては慰められていた私は、ここ最近続いた雨のせいでとても孤独だった。
でも、もう大丈夫。
星は見えなくても、雨でも、昼でも、夜でも、私はいつもルルと一緒だ。
こうして、目に見えるカタチがあるというのは、こんなにも気持ちを落ち着かせてくれるものなのかー。
ミケ分隊長に感謝してもし足りないくらいだ。
私の涙で少し濡れた兵団マントを苦笑いで、膝元に置いて、私は窓に頭を預けた。
雨を受け止める窓はとても冷たくて、小さく身体が震えた。
なんとなく見上げた夜空は、相変わらず真っ黒で星ひとつ見えない。

(ねぇ、誤魔化しても知ってたんだよ。好きな人いたでしょ?)

私の恋の応援ばかりしてくれていたルル。
時々、頬を赤くして部屋にやってきたり、ソワソワしていたり、そうかと思ったらなんだか悲しそうにしているときもあった。
私も、同じ顔をしていたから、それがどういう感情からくるものなのかすぐにわかった。
でも、いつもルルははぐらかすばかりで、絶対に教えてはくれなかった。
だからいつからか、私も聞けなくなった。
心を開いてもらえていないみたいで、本当は少し、いや、とても寂しかったのだ。
いつだって私の味方だと笑ってくれるルルが、どうしてそれだけは私に嘘を吐くのだろうって、寂しくてたまらなかった。
でも、ルルの手紙を読んで、ハンジさんからルルの覚悟を聞いて、分かった気がする。

(強いね、ルルこそ優しすぎるよ。)

好きな人に気持ちを伝えないー、彼女はそう決めていたのだろう。
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